酸素魚雷

蒸気機関_1









  
    1.1  蒸気機関の基本

 ジェームズ・ワットが発明した往復動蒸気機関は、従来の風車や水車のように海岸や川岸
 といった場所の制約を受けずに設置できたため、工場で機械を動かす動力源として盛んに
 使用されるようになった。

 そこで、原動機の基礎中の基礎として、蒸気機関の基本原理について説明する。
 
 
 0)蒸気機関:初期状態
 

 ボイラ:水を入れた密閉容器で、熱源で加熱して水蒸気を発生させる。

 シリンダ:内部をピストンが往復運動するための密閉ケースである。

 ピストン:シリンダ内の圧力を受けて往復運動に変換する。本図は、 ピストン下部にロッド
       の付いたクロスヘッドと呼ばれるタイプである。

 ロッドピン:クロスヘッドとコンロッドを連結する部品で、クロスヘッドとコンロッドはピンを介し
         て自由に回転することができる。

 コンロッド:クロスヘッドをクランクシャフトと連結する部品で、正式にはコネクティングロッド
       (連接棒)。

 クランクピン:コンロッドとクランクシャフトを連結する部品で、コンロッドとクランクシャフトはピン
         を介して自由に回転することができる。

 クランクシャフト:ピストンが受けた力を回転運動に変換する。
 
 バルブ A ~ D:パイプの長さ方向に動かすとバルブが開き、直角方向に動かすとバルブが
 閉じる。

 図では、バルブ A ~ D はすべて開いており、ボイラで発生した蒸気はシリンダの上側、下側
 均等に流れているので、ピストンはシリンダの中央部で停止している状態である。
 
 
 1)蒸気機関:ピストン上昇行程
 
 
 バルブ A ~ D が開いている状態から、バルブ B,C を閉じる。
 すると、ボイラで発生した蒸気は、バルブ D を通って、シリンダ下部に流れるため、蒸気の圧
 力はピストン下側に作用して、ピストンを上側に押し上げることになる。ピストンの上昇に伴っ
 て、コンロッドも引き上げられ、クランクシャフトが回転することになる。
 一方、シリンダ上部の残留蒸気は、バルブ A を通って外部に排出される。


 2)蒸気機関:ピストン下降行程
 
 
 ピストンが上昇しきった時点で、今度は、バルブ A,D を閉じ、バルブ B, C を開ける。
 すると、ボイラで発生した蒸気は、シリンダ上部に流れ込むため、蒸気の圧力はピストン上側
 に作用してピストンを下側に押し下げることになる。ピストンの下降に伴って、コンロッドも引き
 下げられ、クランクシャフトには引き続いて回転することになる。
 一方、シリンダ下部の残留蒸気は、バルブ C を通って、外部に排出される。


 3)蒸気機関:ピストン上昇行程
 

  ピストンが下降しきった時点で、今度は、バルブ A,D を開け、バルブ B,  C を閉じる。
  すると、ボイラで発生した蒸気は、シリンダ下部に流れ込むため、蒸気の圧力はピストン下側
  に作用してピストンを上側に押し上げることになる。ピストンの上昇に伴って、コンロッドも引き
  上げられ、クランクシャフトには引 き続いて回転することになる。
  一方、シリンダ上部の残留蒸気は、バルブ A を通って、外部に排出される。

  以上のように、ピストンの上昇、下降のタイミングに合わせて、4つのバルブ  A, B, C, D を
  開閉することによって、クランクシャフトが回転を続けることになる。



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