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3.2 「九一式魚雷」の管系統図
3.2.1 「九一式魚雷」管系統図の解析
下図は、「コンバットAtoZシリーズ 4 図解 海軍水雷戦隊」に掲載されている九一式魚雷
の管系統図である。
この図を見ると、妙な部分が散見される。
1)『九一式魚雷管系統図』では、「清水室」となっていた部分が、本図では、「燃料室」
となっている。では、「気室」の後方にある部屋はいったい何だろうか?
2)明らかに中途で消滅した管がある。これらの管は本来連結していたのであろうか?
それとも全く別の管と繋がっているのであろうか?
3)潤滑油の管路を調べていて気付いたが、潤滑油を各部に供給する管は存在している
が、潤滑油タンクへ戻す管が連結されていない。 これでは、管路として成立しないこと
になる。
そこで、実際の管路の流れから推定して、独自に修正したのが、下の修正版『九○式魚雷
管系統図』である。
以下、この修正版に基づいて各種管系統を説明する。
3.2.2 「九〇式魚雷」管系統図:起動系統
魚雷を発射管に装填し、発射準備をすると、起動フックが起動レバーに引っかかった状態と
なる。この状態から高圧の圧縮空気で魚雷を発射すると、起動レバーが後方に引かれる。
同時に起動レバーに接続されている連動ロッドも後方に引かれ、起動弁が開となる。
※ なお、上記の起動フック関連の記述はすべて独自の推定である。要は、圧縮空気で魚
雷を発射管から発射した時、起動レバーが引っ張られればよいのである。
3.2.3 「九〇式魚雷」管系統図:空気供給系統
起動弁が開くと、圧縮空気タンクに蓄圧された高圧空気が流れ出す。高圧空気は調圧弁
(主調和器)で一定圧となるように調整され、燃焼器に流れ込む。
圧縮空気タンクには200気圧近い高圧の空気が蓄圧されているが、ただ流すだけでは、そ
れこそあっという間に全量が流出して圧力がゼロとなってしまう。200気圧を調圧弁で減圧し、
適正な圧力とすることで、より長時間使用することが可能となるのである。
3.2.4 「九〇式魚雷」管系統図:清水供給系統
調圧弁で低圧の一定圧となるように調整された圧縮空気の一部は分配器に流入する。分
配器内部で清水供給系統に向かう管路と燃料供給系に向かう管路に分配される。
分配器から出た圧縮空気は清水タンクに送られる。密閉された清水タンクに圧縮空気が入
ることで、清水が圧送される。タンクを出た清水は一度分配器に入り、そこから燃焼器内に
噴射されるようになっている。
3.2.5 「九〇式魚雷」管系統図:燃料供給系統
燃料タンクは、圧縮空気タンクの後方に配置された構造となっている。分配器で分配された
圧縮空気は、燃料タンク内に流入する。燃料タンクの内圧が高まることで、燃料が圧送され
る仕組みとなっている。 なお、燃料配管も、一旦分配器に入り、そこから燃焼器に噴射され
るようになっている。
3.2.6 「九〇式魚雷」管系統図:蒸気供給系統
燃焼器内に流入した空気と燃料は、点火装置の火花で着火され、高温の燃焼ガスに変
わる。この燃焼ガスに清水が噴射されることによって、高圧の蒸気が発生する。発生した高
圧蒸気は複動ガス圧モータを駆動後、排気バルブを通じて海水中に排出される。
なお、発生した高圧蒸気の圧力を一定圧に保つフィードバック機構がないと、雷速の設定
は不可能である。九一式魚雷では、燃焼器(燃焼室)と調整弁(遮断弁)を連結す
る配管があったが、九○式魚雷では、それらしい配管は見られない。
ただし、燃焼器(加熱装置)と調圧弁が直結する形で描かれており、調圧弁が流量制
御を兼ねていて、フィードバック制御を実施していたと推測される。
また、配管図では、排気バルブと起動弁が連動して作動するような機構が見られる。
発射直後、周囲の水圧よりも蒸気圧が低い状態では、排気口から海水が流入する危険
があるため、それを防ぐ機構と考えることができる。
3.2.7 「九〇式魚雷」管系統図:オイル循環系統
配管図では、明示されていないが、オイルポンプは、複動ガス圧モータのクランクシャフト上に
設置されていて、クランクシャフトの出力によって作動していると推定される。
オイルポンプの送油配管はオイル圧調整弁と連結し、オイル圧力は常時一定となるように調
整される。オイルポンプは複動ガス圧モータで駆動されるので、複動ガス圧モータの回転数が
高くなると、オイルポンプの圧送量も増加するが、所定の圧送圧以上になると逆にパワーロス
の原因となってしまう。それを防ぐため、オイル圧が一定値を保つようにオイル圧調整弁で調
圧しているのである。また、オイル圧調整弁は、オイル分配器を兼ねており、各給油部分へ
の配管を容易にしている。
複動ガス圧モータの各部分を給油後、オイル調圧弁に再度集められた後、オイルポンプへ
戻っていく。なお、元の配管図ではこの経路が抜けていたため、燃焼器の後方に描かれてい
ると推定して、配管系を描き足した。
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